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私は独学で2024年前期の保育士試験を受け、一発合格しました。
これから試験を受ける方へ、実技試験「言語」の勉強方法を共有します。
私は筆記試験が終わってから実技対策を始めました!
言語の試験内容
言語の試験内容は以下です。
- 3歳の子供たちが15名程度目の前にいることを想定し
- 3分以内でお話をまとめて
- 適切な身振り・手振りを加えて素話をする
- 話は4つの課題の中から一つを選ぶ
- 絵本・道具等の使用は禁止
- 子どもに見立てた椅子等が前方に用意される
絵本が手元にない素話は、経験がない方も多いのではないでしょうか。
お話を暗記するだけでなく、子供たちが興味を持つような話し方をすることを意識しないといけません。
また、試験会場に実際に子どもはいませんが、子供に見立てた椅子が目の前に置いてあります。
2名の面接官がいるのでそちらに目線が行きがちですが、あくまでも子供たち(に見立てた椅子)に向かって話すことを意識しないといけません。
勉強方法
具体的な勉強の進め方をご紹介します。
どのお話にするか決める
まずは、課題の4つのお話から一つを選びます。
1.「ももたろう」(日本の昔話)
2.「おむすびころりん」(日本の昔話)
3.「3びきのこぶた」(イギリスの昔話)
4.「3びきのやぎのがらがらどん」(ノルウェーの昔話)
どのお話が有利不利はないと思います。
ご自身になじみがあり、ミスが出なそうなものを選ぶと良いでしょう。
私は「3びきのこぶた」を選びました。
選んだ理由は以下です。
- 絵本を読まずに話の流れが言える
- 登場人物が少ない
- 3分でおさまりそう
ちなみに「ももたろう」は、
- 鬼ヶ島へ行くまでに登場人物が多い
- 話が3分で収まらなそう
という理由で選びませんでした。
でも、会場で聞こえてきたお話は「ももたろう」が多かったです。
「おむすびころりん」と「3びきのやぎのがらがらどん」は
- あまりなじみがない
- 話が飛んだ時に思い出すのが辛そう
という理由で選びませんでした。
3分で話せる台本を作る
お話を決めたら、3分で話せる台本を作ります。
意識するポイントは以下です。
- 絵がなくてもイメージできる
- 子供が分かりやすい言葉を使う
私は手元にあった絵本をもとに、作りました。
台本を作りながら何度か読み上げてみて、3分で終わるように文章を工夫しました。
私の作った台本はこちらです。
今から「3匹のこぶた」のお話をします。
昔々、あるところに、3匹のこぶたの兄弟がいました。
子豚たちは、大きくなったので、それぞれ家を建てることにしました。
一番上の兄さん豚は、わらを集めてさっさっさ。
わらの家はすぐに出来ました。
2番目の兄さん豚は、木を集めてギコギコギコ、トントントン。
木の家もすぐに出来ました。
3番目の弟豚は、レンガを集めてよいしょ、よいしょ。
重いレンガを一つずつ積み上げていきます。
長いことかかって、レンガの家がやっとできました。
そんなある日のことです。
お腹をすかせたおおかみが3びきを狙ってやってきました。
一番上のお兄さん豚は急いでわらの家に逃げ込みました。
オオカミが追いかけていってわらの家の前で言いました。
「こんな家、俺様の息で一吹きだ、そーれ、ふー!」
おおかみが大きな息を吹きかけると、わらの家はバラバラバラ~っと吹き飛んでしまいました。
一番上の兄さん豚は急いで、二番目の兄さん豚が隠れている木の家に逃げ込みました。
オオカミが追いかけていって、木の家の前で言いました。
「こんな家も俺様の息で一ふきだ、そーれ、ふー!」
おおかみが大きな息をふきかけると、木の家もバラバラバラ~っと吹き飛んでしまいました。
2匹の兄さん豚は、弟のレンガの家に逃げ込みました。
オオカミが追いかけていって、レンガの家の前で言いました。
「こんな家も俺様の息で一ふきだ、そーれ、ふー!」
しかし、レンガの家はびくともしません。
そこでオオカミは考えました。
「それならあの煙突から中に入ってやろう」
そしてオオカミは壁をよじ登り始めました。
それを見ていた弟豚は、暖炉に大きな鍋を持って行って、お湯をたっぷりと、ぐつぐつ沸かしました。
そこへ、えんとつから入ってきたオオカミが、ドボーン!!!
大きな鍋の中に落ちてしまいました。
「あちちちちー!!」
オオカミは大やけどをして、泣いて逃げていきました。
それから3匹はなかよく、レンガの家で一緒に暮らすことになったそうです。
おしまい。
なお、試験案内に記載があるように、タイトルを忘れずに伝えないといけません。
注意2 : 題名は開始合図のあと、一番最初に子どもに向けて言ってください。
令和6年実技試験概要より
私は、出だしに「これから『3匹の子ブタ』のお話をするよ」という声掛けをした上で始めることにしました。
タイトルだけでも良いのですが、言い忘れる気がしたので…
また、適度に擬音表現を入れて、子供たちに伝わりやすいように工夫しました。
なお、以下の教材にはその他のお話の台本も例として載っています。
実技3科目それぞれについても解説や勉強方法が記載されているので参考にしてみてください。
台本を暗記する
台本が出来上がったら、内容を暗記していきます。
何度も声に出して読み、ある程度暗記できたら時間を計りながら練習しましょう。
何度かやっていくと、頭の中で情景が浮かび、すらすらとお話ができるようになります。
立って話すか座って話すかを選ぶ
試験案内には、
注意1 : お話をする際は立ってでも座ってでも構いません。
令和6年実技試験概要より
と記載があります。
ご自身がやりやすい方を選ぶと良いですが、私は子供の目線に合わせやすい点から座って話すことを選びました。
その際、浅く座ることを心がけました。
浅く座ると、姿勢が良くなり、声も通りやすい気がします。
動きや話し方を工夫する
試験概要には、以下の記載があります。
お話の内容をイメージできるよう、適切な身振り・手振りを加えてください。
令和6年実技試験概要より
子供たちに対して、絵本なしでお話をするので、集中して聞いてくれるように適度な身振り・手振りや惹きつける表現・話し方を意識することが大切です。
また、上記に加え、私は以下を意識するようにしました。
- はっきりと大きな声で話す
- 子供が15人いると想定して、全体を見渡す
- 適度に抑揚や手の動きをつける
- 笑顔を意識する
- 楽しそうに話す
15人もいる想定なので、元気な声を出さないと聞こえない可能性があります。
特に第一声が小さな声だと、最初の印象が悪くなってしまうので、第一声ほど大きな声で話すことが大切です。
録画したり、人に聞いてもらい改善する
ある程度話せるようになったら、録画して自分を客観視してみましょう。
自分ではできていると思っていても、案外表情が硬かったり、声が小さかったりします。
言語のお手本の動画がYouTubeなどでも見れますので、比較してみるのも良いと思います。
また、実際に人に聞いてもらいアドバイスをもらうことも有効です。
特に、試験の評価点である、
求められる力:保育士として必要な基本的な声の出し方、表現上の技術、幼児に対する話し方ができること。
令和6年実技試験概要より
が出来ているかを確認してもらうようにしましょう。
時間が余った場合の台本も用意
緊張すると早口になってしまいがち。
受験された方の中でも、「20秒くらい余って気まずかった」という声も多く聞きました。
そこで、「おしまい」のあと時間が余っていた場合に話す台本も考えていました。
みんな、お話どうだったかな?
みんなだったら、どんなおうちを建てる?
不自然にならないように、お話を聞いていた子供たちに向けての声掛けとしました。
これがあると、少し早口になっても安心です
まとめ
練習では10秒ほど残すことが多かったので、本番はゆっくりと話すことを心がけました。
しかし、話すスピードが遅すぎたのか、「おしまい」を言う直前で終了のタイマーが。
「話の途中で終わると不合格の場合もある」という怖い噂も耳にして心配でしたが、無事に合格点をいただけました。
「お話を3分以内に終わらせる」ことは大きな評価点かもしれませんが、本番は緊張して練習通りにはいかない方も多いと思います。
ただ、どれだけ真剣に練習してきたかは面接官の方にも伝わるのではないでしょうか。
これから挑戦される方は、時間の許す限り練習をして、後悔のないよう挑んでくださいね。